「深い※1シワ・たるみ&濃い※2シミゾーン(真皮層)」が「新しいものに入れ替わるのに5年~6年※もかかる」という事実をまず知ってください。
つまり、このゾーンできてしまった深いシワ、たるんでしまったものをもとに戻すのは並大抵ではないということになります。
ですから、いかにシワを浅い状態で食い止め、たるまないようにすること、つまり常日頃から予防しておくことが、最善のケアといえます。
真皮層の厚さは、「バリア+ターンオーバーゾーン」の「200倍~300倍(2.0~3.0mm)」もあり、肌のハリ、弾力性を保ち、皮膚を支える働きをしています。
「濃いシミ」は次にお話するターンオーバーゾーンでつくられます。
この濃いシミがいったんこのゾーンに落ちてきて漏れ出して色素沈着してできたシミを「老人性色素斑[ろうじんせいしきそはん](20代後半からでもできます)」というのですが、
これも深いシワやたるみ同様、通常のケアで取り去ることは至難の業ですから、日常の予防がきわめて大切になります。
真皮層では、線維芽細胞[せんいがさいぼう]という細胞により、真皮の70%~80%を占める「コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸」などが作り出されます。
つまり、真皮層のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸は「すべて」この線維芽細胞が作りだした「タンパク質」で、それ以外で補うことはほぼ不可能です。
コラーゲンは真皮の柱のような役割、エラスチンはコラーゲンを支えにしてゴムのような弾力性を与える役割、ヒアルロン酸は水分を保持してうるおいを与える役割を担います。
ここで、「コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸」を総称して「真皮タンパク質」と呼ばせてください(正式には「細胞外マトリックス」という理科嫌いの人にとっては拒絶反応を示しそうな名称がついています)。
そしてこの「真皮タンパク質(=コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸)」が傷ついて、それぞれの機能が弱くなると、深いシワやたるみとしてあなたの肌に表れてきます。
傷ついた真皮タンパク質は、線維芽細胞が活発でしたら、作りだして修復することができるのですが、加齢が作りだす能力を衰えさせます。
その結果、コラーゲンやエラスチンなどが劣化して皮膚の深いシワやたるみ(実はクマも!)となり、ヒアルロン酸が本来持っている保湿性(1gで500gもの水を保持できるほどの高い保湿性)も失われていくため、肌のみずみずしさもなくなっていくのです。
※1 シワをあえて「深い」という表現にしているのは、浅くてケアが比較的容易な、いわゆる「小ジワ」と区別するためです。
※2 シミも「濃い」という表現を使っています。これは、薄いシミ(=くすみ)と区別するためとなります。
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